耳式体温計のメリットとデメリット

小児科で診察を受けたり、予防接種をする前には、赤ちゃんやまだ小さなお子さんの体温を測ることはよくありますよね。
最近ではその際に、耳の内部に体温計の先端部分を軽く入れてボタンを押すだけで、数秒で体温を測ることができる耳式体温計を利用している小児科が多くなってきました。

また、家庭用として使える耳式体温計も各メーカーから、お手頃価格で販売されています。
耳式体温計の体温を測る仕組みについては、一言で言うと、耳の奥の鼓膜から放射される赤外線(熱放射)によって測定します。

テレビでもよく見かける赤外線カメラは、真っ暗の状態でも、電気がついているような明るさで、映像を映すことを可能とする特殊なカメラですが、このメカニズムというのが、地球に存在するいろいろな物質から放射されている赤外線によるものなにです。

赤外線というのは、私たち人間の体のありとあらゆる部分からも放射されているため、熱放射によって体温を測る場合、実はどの部分でも測ることができるのです。

では、なぜそれが耳式になったのでしょうか…
それは、耳の中の鼓膜というのは、外気に触れていないため、外気温の影響を受けることないので、最も体内温度を正確に測定できるのが耳ということになるのです。

この耳式体温計の測定方法である、体内から出る赤外線の量に応じて体温の計測をする一番のメリットは、なんと言っても時間がかからない…ということでしょう。

水銀で体温計など、従来の体温計で体温を測るのには3分はかかってしまいますが、この耳式体温計はたったの1〜3秒程度で体温が測れます。
まだ幼い子どもは、まだまだじっとしていることができないものです。

体調を崩してしんどい時なんかは特に計測を嫌がるお子さんも多いと思います。
そんな時この耳式体温計だと一瞬で体温を測ることができるので、ぐずることなく計測できるでしょう。

さて、一瞬で計測できるという利点も十分にお分かりいただけたと思いますが、耳式体温計を使って体温を測る場合の、デメリットも伝えておく必要があります。それは、正確な体温が定まって出てこないということです。

耳式体温計を使用した方の多くの意見として持ち上がっているのが、時間を少しだけ(何秒間か…)あけて、もう一度測ってみると、少なからず誤差が出ることがたびたび起こってしまうといいます。この問題は今後、改良に期待したいですね。

ですので、体温を計測するにあたり、正確性を求められる場合は電子体温計や水銀体温計を使って検温してもらう方が良いでしょう。

 

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最終更新日 2025年7月7日 by boomsabotage