事業投資のプロはどこを見ているのか?長田氏に聞く
長田雄次氏が考える事業投資の特徴
基本的に事業投資では多くのお金が動き、1000万円単位で投資を行うことが目立ちます。
実際に資金の提供をしてほしい企業は多く、ドカンと資金提供をしてくれればいくらでもそれを増やすと意気込むところも多いです。
具体的に資金提供を行うと出資や融資など形式は様々あれど、経営に多少口を出すこともできますが、プロと呼ばれる人はよほどひどいことをしていない場合には基本的には静観ですが、出資を行い、発言力は得ている状態であるため何かあれば言うべき事は言えるような状態にあります。
そして、エピックグループの長田雄次のように、投資家として見るべきポイントを心得ています。
素人の人がやりがちなのは第一印象で決めてしまうことです。
確かにビジネスの世界でも第一印象は非常に重要であり、そこでなんとなく判断してしまう人もいるほどです。
なので、第一印象で決めてしまったとしてもそこまで悪いわけではありませんが、今回は相当なお金が絡んでいます。
何も資料がない中で判断をしてしまうのは危険が伴うので第一印象だけでは判断しない
何も資料がない中で判断をしてしまうのは危険が伴うので第一印象だけでは判断しないことが大事です。
この印象を形成するものには、知名度があるとか、テレビに紹介されるほど有名な人が社長をしている、業界として好調などのものが挙げられます。
ここだけで決めてしまうのは実はマイナスでしかありません。
例えばいくら知名度があったとしても、その知名度にあぐらをかくような状況であればあっさりと業績を悪化させてしまうのがビジネスの世界です。
有名な人が社長をしているケースではワンマンである分、お家騒動になりやすく、社内で揉め事になる場合があります。
この人は信頼できると思っていても実は外面だけで、従業員には評価が最悪だったというケースもあるため、表だけで評価するのは大変です。
だからこそ、できるだけ表の面だけで判断することは避けなければなりません。
その反対として第一印象がさほどよくなかったケースもあります。
この場合に考えられるのは知名度の低さに伴う過小評価です。
知名度が低いから投資はやめておこうと思ってしまう人には向いていない
暮らしを支えるものは表に見えているものだけではありません。
パソコンの内部に隠されているような部品が実は相当重要な部品だったなんてことはよくある話です。
それでいて実際に製造している会社は大して有名ではなく、技術力だけは高いという状況もよく見られます。
この場合、きっかけ1つでいくらでも業績をあげることはできる状態にあることから、知名度が低いから厳しいと見るのはあまりにも安直と言えます。
結局のところ、知名度が低いから投資はやめておこうと思ってしまう人には向いていないことがわかります。
裏を返せば、第一印象に惑わされず、中身できっちりと判断できるかが非常に重要となります。
例えば技術力があったとしても、その技術力を何に活用するのかというのがポイントです。
最新の技術に応用できるものであれば、それを実用化させることで評価が一気に高まり、業績を回復させる可能性が高いです。
ところが、高い技術力があまり活用できそうにもない状態であれば、宝の持ち腐れのような状態になってしまいます。
技術力の実用性があるのかどうかが事業投資をしていく上でのポイント
つまり、技術力の実用性があるのかどうか、そのあたりが事業投資をしていく上でのポイントになります。
人工知能の技術が進んでおり、人工知能に置き換えてもいいようなものにお金をかけるのは無駄です。
ところが、人工知能ですら置き換えようがない業種やあえて人に任せることで価値が出るものもあります。
そんなものにお金をかけることで儲けることは可能であり、そこを目指していくことが大事です。
何でもかんでもお金を出すのではなく、将来的なことを考えて投資を行っていくということが求められ、その視点は持つべきです。
この時に成功例と失敗例を勉強することも必要になります。
事業投資の秘訣とは?
プロは自らが経験した成功とやってしまった失敗を思い出しながら判断を行います。
最先端技術に関する企業の投資を検討する場合、一目ぼれのように技術力に惚れてしまえば痛い目を見ることを知っていればそれ以外の部分を見ようとします。
もしその技術で失敗した場合に別のプランがあるのかをチェックし、そこが成功する可能性も見ていきます。
ビジネスの世界ではある商品の開発で出てきた副産物のようなもので成功を収めるケースもあります。
これを知っていることで新たな投資にチャレンジできます。
事業投資のプロは表だけでなく、中身を確認し、そしてこれまでに経験した案件を思い出しながら判断を行っていきます。
プロであることはそれだけ多くの案件を見ており、ジャッジするだけの判断材料を多く有していることを意味します。
まとめ
素人のように一目ぼれで食いつくことはしません。
そして、光るものを感じそこに可能性を見出せれば躊躇なく出資ができます。
その光り方も素人ではよくわからないものです。
この状況でこれだけ光ることはまずないというような魅力の発見につながるものは、これまでの知識や経験、そして事業投資にかけてきた時間です。